妙心寺の雲龍図
龍は仏教の守護神でり、大乗仏教の釈尊伝には釈尊を祝福し守護する存在として描かれ、『法華経』序品には「八大龍王」として現れている。
説法を受ける建物『法堂(はっとう)』に龍の天井画が狩野探幽によって1656年に8年をかけて描かれている。直径12mの円相に龍が描かれ、周囲に雲が渦巻き、多義図形的にどの位置からみても龍と目が合う、いわゆる八方睨みの図となっている。見る角度によって、昇り龍、下り流、襲いかかり、逃げ去る、動き睨み続ける円の中の空間、この図の一部分を多方面から重ねあわせ一枚絵にしてみた。
